タブレット教材と紙の教材を比較!どちらが小学生の学習に効果がある?

タブレット教材と紙の教材の小学生へのメリットを徹底比較!

2020年度から小学校でのタブレットやPCが一人一台の導入が始まるなど、オンライン学習が広まってきました。

中でもタブレットは操作が簡単なため、小学生のオンライン学習ツールの本命になりつつあります。

進研ゼミやZ会などの実績ある通信教育各社がタブレット版の教材を配信し、スマイルゼミのようにソフトウェア会社による新しいサービスも受講生を増やしています。

この記事では、タブレット教材と紙ベースの教材のメリット・デメリットを比較し、それぞれに向いた子供の特徴や二つの学習の組み合わせ方などを解説します。

タブレット教材に対する不安:紙よりも記憶しにくい?

タブレット学習は、最先端の勉強方法なので興味はある。

でも、紙ベースのテキストで勉強してきた親としては、不安を感じてしまいます。

例えば、

・タブレットでは、ひっ算や漢字の練習ができないのでは?

・紙に書かないと覚えられないのでは?

・学校のテストも中学の入試も紙ベースなので、鉛筆で書くトレーニングが必要では?

実は、私も紙テキスト派でした。

しかし、スマイルゼミを体験した経験から、タブレットは国語、算数等の主要科目の理解や、特に英語の学習で大きな長所があると思うようになりました。

短所を補いながら、小学生でも積極的にタブレット学習を取り入れた方が良いと思います。

小学生が紙ベースで勉強するメリットは?

では、紙ベースの学習のメリットは何でしょうか。

一般論や学者の研究などから次の5つが挙げられます。

  1. 書く・消すの動作がしやすい
  2. 運筆の練習になる
  3. 記憶に残りやすい
  4. レベルの高い問題を解きやすい
  5. 中学受験への準備になる

これらのメリットを、順に見てゆきましょう。

①書く・消すの動作がしやすい

鉛筆で書く、消しゴムで消すという動作は、小学生にとってはタブレットに入力するよりも早く簡単にできます。

タブレット教材にも、進研ゼミやスマイルゼミのように、書き込みやすいように専用のペンで入力するものが有ります。

しかし、実際に体験してみると、いろいろと問題が有ります。

小学4年生の長男の感想は、「ペンはツルツルするので鉛筆の方が書きやすい」そうです。

また、入力にも時間がかかります。

大きな入力欄に、専用ペンで漢字や数字を書き込み、それをタブレットが自動判定して問題の入力欄に転載されます。

タブレットは、一文字一文字入力し、自動判定にわずかなながらも時間がかかります。

また、小学生の男子は字が汚いものですが、自動判定で違う文字や数字が入力されることがしばしばあります。

慣れれば早くなるでしょうが、やはり、紙ベースの学習の方が、回答をどんどん書いてゆくことができます。

②運筆の練習になる

紙に鉛筆で文字や図形を自分の思うように書く、という運筆の能力は、年齢が上がることに少しずつ上達するものです。

しかし、小学校でも高学年になると、運筆の能力が低いと困ることがいろいろと生じます。

先ず、授業の内容が高度になるので、ノートに記入する量も増えます。

速さやきれいさが求められるようになります。

国語のテストなどで、記述の問題が増えてきます

紙ベースの学習は、これらの能力を伸ばしてゆくことができます。

③記憶に残りやすい

紙ベースの学習の方が記憶に残りやすいとよく言われます。

例えば、漢字や英単語をノートに10回書いて覚える、という作業は誰もが経験したことがあると思います。

研究者の研究でも、目で紙を見て(視覚)、手で鉛筆を触り、紙に鉛筆を押し付ける圧力を感じながら(触覚)、指を動かす(運動神経)ように、脳のいくつもの場所を使って行う作業は、記憶に定着しやすいとされています。

④レベルの高い問題を解きやすい

小学生でも学年が上がると、算数では、ひっ算の量が増えたり、図形で補助線を書いたり、表を自分で書いて考える必要が有ります。

国語は、長文の中の重要な言葉に丸を付けたり、線を引いたり、段落ごとに要点をまとめて段落の上に書いたり、数ページにわたる文章をざっと見返す、などの作業が必要になります。

タブレット教材でできないわけではありませんが、全体をまとめる作業やその練習は、紙テキストの方がやりやすいです。

⑤中学受験への準備ができる

中学の入試は、まだまだ紙で問題が出され、解答用紙に記入するのが主流です。

限られた時間に、大量の問題を解き、解答用紙に読み取れる文字で書かなければなりません。

上で挙げた、運筆の練習、高度な問題を解く力等も、中学受験には必要です。

進研ゼミやスマイルゼミでは、学校の授業のレベルを超えた、中学受験も見越した内容を学習するタブレットのコースを用意しています。

それらのコースをまじめに取り組めば、レベルの高い学力を身につけることは可能でしょう。

一方、難関中学への受験で定評の有るZ会は、タブレットのコースと紙のテキストのコースの教材の難易度は同じとした上で、

タブレットコースは学ぶ習慣を身に付けたい子供に、紙のコースは中学受験を考える子供に向いている

と説明しています。

上の4つのメリットも合わせると、中学受験のための勉強では、紙ベースの勉強は欠かせないようです。

タブレット教材の小学生の学習への効果は?

一方、タブレット教材にも、独自のメリットが幾つも有ります。

大きく分けると、次の3点です。

  1. 理解をうながす
  2. 子供のやる気を刺激する
  3. 親の手間を減らす
  4. 英語の学習に向いている

次に、順に見てゆきましょう。

①理解を促す

出所:Z会

例えば、大手のタブレット通信教育には、自動丸付け機能が有り、子供は回答後すぐに解説を見ることができます。

解説は、アニメーションや映像を使って分かりやすく、面白く作られています。

毎日の課題は、タブレットが生徒の実力や学校の教科書に合わせて自動でカリキュラムを作り、問題を選びます。

弱点があれば優先的に解き直しをさせることで知識を定着させ、バランスよく実力を伸ばしてゆくことができます。

②子供のやる気を刺激する

問題を回答するとすぐに正解かどうかが分かることは、子供にとっては大人が想像する以上に大きな刺激になります。

勉強もスムーズに進むので、達成感を得ることができます。

解説が分かりやすく、すぐに理解できることも、子供にとっては勉強が面白いと感じる要素になります。

また、大手のタブレット通信教育は、問題を解くとポイントが増え、タブレット上のカードが入手出来たり、簡単なゲームアプリが使えるようになったりするような仕掛けを用意しています。

頑張ったことで何かが得られる、という仕組みがタブレット端末は得意です。

タブレット教材は子供の興味を上手に刺激することができるので、毎日の勉強のハードルをぐっと下げて、学習習慣をつける効果があると思います。

③親の手間を減らす

小学生が紙ベースで勉強する場合、親が丸付けをしたり、進み方を管理したりする必要があります。

一方、タブレット教材は、情報通信技術でこれをカバーしてくれます。

例えば、自動で丸付けをし、苦手克服のための問題を提供してくれます。

生徒の実力や学校の教科書に合わせて自動でカリキュラムや問題を選んでくれます。

塾通いと違い、親が送り迎えをする必要がありません。

有名な進学塾に通っても、大勢の生徒の中の一人なので、一人一人のカリキュラムを考えたり日々の出題を変えるまでは、丁寧に対応してくれません。

タブレット通信教育は、塾と親の代わりや、塾と親を超えるサポートができるようになってきています。

家で、子供から解いた問題の丸付けを頼まれても、すぐにできないことがしょっちゅうです。丸付けや解説をタブレットが自動でやってくれると助かります。

ぱぱきりん

④英語の学習に向いている

さらに、英語の学習では、初めて出てきた単語や表現について、ネイティブの発音を1クリックで何度も繰り返し聞き直して覚えられます

英語学習の初めの一歩からネイティブの発音を覚えてゆくというのは理想的です。

英語に関しては、オンライン学習をするかどうかで、数年後に大きな差がつくと思います。

英語に関するタブレット教材は、以下の記事で解説しています。合わせて、ご覧ください。

タブレットと紙、どのような子供に向いている?

これまで、紙ベースの学習とタブレット学習のメリットを見てきました。

一方のメリットは他方のデメリットでもあります。

では、紙教材とタブレット教材のどちらを選べばよいでしょう?

子供の学力や勉強の目的で、それぞれまとめてみます。

先ず、紙ベースの教材がお勧めの子供の例です。

  • 勉強の習慣がついている。
  • 高い学力を目指したい。
  • 中・高学年で中学受験を考えている。
  • 低学年で運筆の練習をしたい。
  • 何度も書いて覚える、という作業に慣れさせたい。
  • 勉強にある程度、がまんができる

次に、タブレット教材がお勧めの子供の例です。

  • 毎日の学習の習慣をつけたい
  • 学校の授業を理解し、学校の成績を上げたい
  • まだ低・中学年で中学受験まで時間がある
  • 中学受験は考えていない
  • 英語の学力をどんどん伸ばしてゆきたい
  • 退屈するとやる気を失くしてしまう
毎日の学習習慣をつけるだけでも大きな成果です。

ぱぱきりん

タブレット通信教育の5社の比較に関して、以下の記事で紹介しています。

紙教材とタブレット教材を組み合わせるのも効果あり!

さらに、紙教材とタブレット教材を組み合わせる方法も有ります。

例えば、

・毎日の学習の習慣をタブレット教材でつけたのち、紙ベースの教材に変える
・タブレット教材で基礎力が付いたら、紙ベースの教材に変える
・低学年の間はタブレット教材で学び、高学年になれば紙ベースの教材に変える
・スマイルゼミや進研ゼミのタブレット教材で基礎を学び、Z会の紙ベースの講座で応用や中学受験の準備をする

進研ゼミは、タブレットと紙のコースを年の途中で変更することができます。

紙とタブレットのどちらか、ではなく、両方を組み合わせて学習を進めてゆくと、効果が大きくなると思います。

まとめ

タブレットによるオンライン教材は、動画やグラフィック、音声を使うことで、勉強を分かりやすく、楽しいものに変えることが出来ます。

特に、子供になじみのない英語学習では、ネイティブの発音をふんだんに聞けることから、タブレット教材を使うかどうかで、学力に差が付くと思います。

タブレットのメリット、デメリットを理解しながら、子供の勉強の目的に合った教材を選んで上げられれば良いですね。

 

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